冬のコートを、いつ買うか。例年なら、10月の後半から迷いはじめる人が多い時期だ。今年はそこに、気象の側から一つ材料が出ている。気象庁が9月に発表した今冬の見通しは、全国的に「暖冬」だった。
予報は「暖かい冬」。ただし、寒い日がなくなるわけではない
報道によると、気象庁は9月18日に2026〜27年の寒候期予報(冬の見通し)を発表した。冬の気温は東日本・西日本で「平年より高い」確率が60%、沖縄・奄美では70%とされ、北日本は「平年並みか高い」。日本海側の雪は少なめの見込みだ。背景には、冬まで続くとみられる強いエルニーニョ現象があると、日本気象協会のtenki.jpなどが解説している。
気象庁の寒候期予報(2026年9月18日発表)と、日本気象協会tenki.jpの解説より。東・西日本の冬の気温は「高い」確率60%、日本海側の雪は少なめ。一方で、一時的に強い寒気が南下し、急に冷え込む可能性もあるとされる。(記事の要点を編集部で要約)
出典:日本気象協会 tenki.jp「2026~2027年の冬はなぜ暖冬予想? 過去最大の強さのエルニーニョ現象が影響」(2026年10月18日)、tenki.jp「2026~2027年冬は全国的に暖冬予想 ただし急な寒波と大雪に注意」(2026年9月30日)
注意したいのは、数字の読み方だ。「高い」の確率が60%ということは、残りの40%は「平年並み」か「低い」の可能性が残るという意味でもある。そして、平均気温が高い冬でも、短い期間に強い寒気が入ることは十分にありうる。暖冬予報は、「寒い日がない冬」の約束ではなく、「冬全体の平均が高めになりやすい」という見通しだ。
TONEの視点:暖冬の年は、「厚い1枚」より「脱げる3枚」
10月17日の記事では、秋服を気温ではなく色と素材で選ぶ流れを書いた。冬も同じ方向に動いているのではないか。ここからは調査ではなく、編集部の見立てだ。
真冬向けの厚いコートは、暖冬だと着られる日が少なくなる。反対に、寒波が来たときには、薄手のコートでは足りない。この両方に備えるなら、1枚で厚さを決めてしまう買い方より、薄手のインナー、中間のニットかフリース、軽めの羽織りという3つの層を、状況に合わせて足したり脱いだりする組み立てのほうが、失敗が少ない。屋内が暖かい都市部では、なおさら脱いで持ち歩く場面が増える。そのとき、脱いだ服がかさばらないか、手で持っても見栄えがするかも、選ぶ基準になる。
3つの層には、それぞれ選ぶ基準がある。インナーは、肌に直接触れるので、着心地と洗いやすさで選ぶ。10月19日には、ユニクロの極暖ヒートテックに新色が加わったことを取り上げたが、インナーが見えるかどうかは、着方しだいだ。中間の1枚は、単体で着ても成立する見た目かどうかが分かれ目になる。ニットなら1枚で外に出られるし、フリースなら室内で羽織りを脱いだときに、そのままで過ごせる。羽織りは、風を防げる素材かどうかを見たい。寒波の日に必要なのは、厚みよりも、風を通さないことのほうだ。
こう考えると、買う順番も変わる。最初に買うのは、いちばん厚い服ではなく、毎日着る中間の1枚だ。厚手のコートは、12月の寒さを見てからでも遅くない。買い物の時期を後ろにずらせる人は、その分だけ、天気を見てから決められる。
明日から使える一手
手持ちの冬服を、「薄手のインナー」「中間の1枚」「羽織り」の3つに分けて並べてみてほしい。どこが一番足りないかが、はっきりする。足りない層が見つかったら、その1枚だけを、気温が下がるのを見ながら買う。暖冬の年に冬服を買い足すなら、全部をそろえるより、足りない1枚を選ぶほうが、出費も着る回数も、納得しやすい。