ふるさと納税は、2025年度に総額1兆3,314億円になった。総務省が2026年7月31日に発表した数字で、6年連続の過去最高だ。年末が近づくと、返礼品のランキングや「今年中に」という広告が増える。その前に、この数字が何を表しているのかを見ておきたい。

1兆3,314億円は、「1件あたり約2万2,000円」の積み重ね

報道によると、2025年度の寄付額は前年度より587億円増えた。寄付の件数は5,963万件で、こちらも過去最高だった。寄付によって住民税が軽くなった人は1,151万人で、前年度より約70万人増えている。自治体別では、大阪府泉佐野市が230億円で首位、北海道白糠町が223億円、宮崎県都城市が216億円と続く。都道府県別では北海道が1,888億円で最も多く、宮崎県625億円、福岡県602億円の順だった。

総務省によると、2025年度のふるさと納税の寄付総額は1兆3,314億円(前年度比587億円増)で6年連続の過去最高。件数は5,963万件。物価高で、コメや日用品などの返礼品を目当てにした利用が広がったとみられている。2025年10月の制度改正で仲介サイトによるポイント付与が禁止されたため、駆け込み需要があったとの見方が自治体側にある。(共同通信の配信記事を編集部で要約)
出典:秋田魁新報「ふるさと納税、総額1兆3千億円 25年度、6年連続過去最高」(2026年7月31日・共同通信配信)/熊本日日新聞 同記事

総額を件数で割ると、1件あたり約2万2,000円になる。これは編集部の概算だ。1回の寄付は、日用品の買い物より少し大きい金額になる。しかも、返礼品の中心が食品や日用品になったということは、「地域を応援する」だけでなく「家計の買い物の一部」として使う人が増えたことを意味している。

一方で、寄付が増えれば、寄付した人が住む自治体の住民税は減る。この点は、特に都市部で影響が大きいと指摘されている。ふるさと納税は、寄付する側にとっては買い物に近い使い方でも、全体で見ると、お金の動きが地域のあいだで入れ替わる仕組みだ。数字が大きくなるほど、その両面が見えやすくなる。

制度改正の「駆け込み」は、どこまで続くか

2025年度の増加の背景には、10月の制度改正があるとの見方が出ている。仲介サイトのポイント付与が禁止される前に、寄付を済ませた人がいたというものだ。この見方が正しいなら、2026年度は反動で伸びが鈍る可能性もある。ただ、これは自治体側の見方であり、実際にどうなるかは今年度の結果が出るまで分からない。

確かなのは、制度の使い方が「ポイントのおまけ」から「純粋な返礼品の中身」で選ぶ形に変わったことだ。同じ寄付額なら、何がもらえるかだけで比べる。それは、買い物の選び方そのものに近い。

TONEの視点:返礼品の前に、「今年の枠」を知る

年末は寄付が集中しやすく、返礼品の選択肢が減ったり、手続きを急いだりしがちだ。そこでおすすめしたいのは、返礼品を見る前に、今年の控除上限額を調べておくことだ。上限額は収入や家族構成で変わる。多くの自治体や仲介サイトが目安を計算できる仕組みを用意している。上限の範囲内なら、自己負担は原則2,000円で済む。

手順は3つだ。まず今年の上限額を確かめる。次に、日常で使うもの(食品・日用品)から1つだけ決める。最後に、年内の寄付は今年分の控除の対象なので、混み合う12月より前の11月までに済ませておく。1兆3,314億円という大きな数字も、元をたどれば、こうした1件ずつの選択の積み重ねだ。

もうひとつ付け加えるなら、返礼品を「得」で選ぶより、「本当に使うか」で選ぶほうが、結果的に満足しやすい。冷凍庫に入りきらない量や、食べきれない期限のものは、控除で戻る金額を計算に入れても、家の中では負担になる。上限額の範囲で、日常で使うものを1つ。その順番だけで、年末の慌ただしさはだいぶ減る。

※本記事は2026年10月25日時点で確認できた情報に基づく。控除上限額や手続きの詳細は、総務省の「ふるさと納税ポータルサイト」や、寄付先の自治体の案内で確認できる。