10月が終わる日に、冬服の売れ行きを考える。9月の国内アパレルの売上が出そろったのは、10月6日だった。FashionSnapの集計によると、国内ユニクロの既存店売上は前年同月比で10.8%増、しまむらも10.4%増だった。涼しい9月だったため、秋物や冬物の入り口が動いたという。
冬服は、カレンダーでなく気温で売れる
同じ記事によると、ユニクロは悪天候で客数が減った一方、低温で秋冬物が動き、客単価が伸びた。けん引したのは、カジュアルアウター、ニット、ヒートテックだ。店に来る人の数が減っても、来た人が1着あたりに払う金額が上がれば、売上は伸びる。
国内アパレル関連大手の2026年9月度の既存店売上高は、ユニクロが10.8%増、しまむらが10.4%増。涼しい9月に秋物が好調で、アウター・ニット・ヒートテックが伸びた。(記事の要点を編集部で要約)
出典:FashionSnap「涼しい9月、秋物好調でユニクロなど2桁増 国内アパレル関連大手2026年9月度」(2026年10月6日)
では、10月はどうか。日本ウェザーアソシエーションは9月1日更新の見通しで、今年は前年より「秋が長く、冬の立ち上がりが遅い」と予想している。10月は平年より気温が高い見込みで、長袖シャツやカーディガンの需要から先に始まる、という流れだ。つまり、10月の数字は、冬物が本格的に動く前の段階を映すことになる。
2026年秋冬は、前年より秋が長く、冬の立ち上がりは遅い見込み。10月は平年より気温が高く、長袖シャツやカーディガンの需要が先に高まる。冬物需要の本格化は遅め。(見通しの要点を編集部で要約)
出典:日本ウェザーアソシエーション「【2026年秋冬予報】アパレル需要はどう変わる?」(9月1日更新)
参考になるのが、去年の10月だ。FashionSnapによると、2025年10月は統計開始以来2番目に暖かい10月だった。それでも月の後半に気温が下がると冬物が動き、国内ユニクロは25.1%増になった。暖かい月でも、寒くなった日が数日あれば、売上は一気に変わるということだ。ただし、これは去年の例であり、今年の10月の結果ではない。10月の実績は、各社が11月上旬に発表する数字を待つ必要がある。
TONEの視点:買う時期は、日付でなく「着る気温」から決める
この動きは、売る側の話に見えるが、買う側にも当てはまる。冬の服は、11月になったら買う、というふうに日付で考えると、どうしても外れやすい。暖かい日が続けば、厚手のコートは1週間も着ない。寒波が来れば、急いで買うことになり、選ぶ時間がなくなる。
ここで見方を変えてみる。必要なのは、買う日でなく「その服を着る気温」を先に決めることだ。たとえば、通勤の朝が10度を下回る日に着る上着なのか、5度を下回る日に着る上着なのか。気温の幅が決まると、ダウンが必要なのか、ニットの上に羽織るアウターで足りるのか、答えは自然に絞られる。
もうひとつ、数字の読み方にも注意したい。売上が増えたという事実は、みんなが冬服を買い込んだという意味ではない。客数が減って客単価が上がった月は、買う人が1着にかける金額を上げた、とも読める。自分が売り場でそう動いていないか、一度考えてみる価値はある。
なお、気温の予想は変わることがある。直前の予報で確認してほしい。
明日から使える一手
手持ちの上着を並べ、1着ずつ「何度から何度まで着られるか」をメモに書いてみてほしい。抜けている気温の幅がひとつでもあれば、そこが買い足す場所だ。幅が埋まっているなら、今年は買わない、という決め方もできる。セールや新作の案内が届く前に、自分の基準を作っておくといい。