10月26日、日本フードサービス協会は9月の外食産業の市場動向を発表した。報道によると、全体の売上は前年同月比で7.3%増。長雨や台風で客足が鈍る日があった月だが、シルバーウィークの連休と、秋の限定メニューが全体を押し上げたと伝えられている。同じ報道の中で目を引くのは、居酒屋だ。客数は前の年より減ったのに、売上は前の年を超えたという。売上という一つの数字の中に、人数と、1人が使う金額が混ざっている。この記事では、それを分けて読む。
7.3%増の内側にあるもの
外食の売上は「客数×客単価」でできている。売上が増えた理由は、人が増えたか、1人あたりの支払いが増えたか、その両方かのどれかだ。9月は、ファストフードで月見シリーズなど季節の商品が伸びたと報じられている。連休で外に出る人が増えたことも、客数を支えた。一方で、雨の多い月だったため、店によっては客数が思うように伸びていない。
日本フードサービス協会の外食産業市場動向調査(2026年9月度)で、外食全体の売上高は前年同月比7.3%増。連休と「月見」などの秋の限定メニューが寄与した。居酒屋は客数が前年を下回ったが、値上げとキャンペーンで売上高は前年をわずかに上回った。(編集部で要約)
出典:FDN フードリンクニュース「【外食市場26年9月】長雨・台風でも全体7.3%増。居酒屋は客数減を値上げとキャンペーンで相殺、売上高はギリ前年超え」(2026年10月)/流通ニュース「日本フードサービス協会/9月の外食売上7.3%増、連休効果や「月見」メニューが貢献」/商人社「9月外食統計|全店売上高7.3%増/シルバーウィークと秋限定メニューが後押し」
業態ごとの細かい数字は、報道によって食い違いがあった。この記事では、複数の報道で一致した全体の7.3%増と、居酒屋の動きの方向だけを使う。ここまでが調査から言えることだ。
居酒屋は「来る人」が減り、「払う額」で保っている
居酒屋の動きは、売上の伸びが同じ形では起きていないことを示している。客数が減った分を、値上げと、割引や飲み放題などのキャンペーンで埋めて、売上は前年を少し超えた。つまり、1回の来店で使われる金額は上がったが、来る人の数は戻りきっていない。
ここからはTONEの見方になる。売上が増えたというニュースだけを見ると「外食が元気だ」と読みたくなる。しかし、人が増えた店と、値段で保っている店では、同じ増収でも中身が違う。客数が増えているのは、月見のように「いま食べる理由」がはっきりした商品と、連休という「出かける理由」だ。居酒屋のように、理由が決まっていない夜の外食は、値段が上がるぶん、行く回数のほうが選ばれやすくなる。人は外食をやめたのではなく、行く理由を選ぶようになったのではないか。
TONEの視点:自分の外食を「回数」と「1回の額」で見る
外食のニュースは、全体の増減で見ると自分の暮らしとずれる。明日からできるのは、先月の外食を「何回行ったか」と「1回いくら使ったか」に分けて書き出すことだ。レシートやカードの明細で足りる。回数が減って、1回の額が増えているなら、店の側と同じ動きを自分もしている。
そのうえで、次の月は「行く理由」を先に決めてみる。季節の限定メニューを食べに行く、誰かと会うために行く、という具合だ。理由がある外食は、値段が上がっても満足が残りやすい。理由のない外食から先に減らせば、1回の額を上げても、月の合計は変わらない。数字を二つに割るだけで、外食の変化は自分の側から読める。
※飲酒は20歳になってから。
※本記事は2026年10月30日時点の報道に基づく。数値は協会の速報で、業態別の数字は報道間で差があるため全体と傾向のみ記載した。本記事は広告ではなく、特定の店・商品の利用を勧めるものでもない。