10月31日は、ハロウィンだ。2026年は土曜日にあたる。10月も下旬になると、店頭にはかぼちゃ色の飾りやコスチュームが並び、街の空気が少し変わる。ただ、ここ数年のハロウィンは、「みんなで騒ぐ日」から少しずつ違う形に動いているように見える。何が変わったのかを、公表されている調査から読み直してみる。
市場は縮み、予算は増えた
インテージが全国の15〜79歳の男女5,000人を対象に行った調査では、2025年のハロウィン市場規模は1,673億円で、前年の93%と報じられている。予定がある人は前年より減った一方、ひとり当たりの平均予算は7,192円で、前年の1.1倍だった。同じ調査は、物価高のなかで「費用を抑える」人と「楽しみを重視して出費する」人に二極化している、と伝えられている。
数字を並べると、参加する人は減り、参加する人の1人あたりの金額は増えた、ということになる。盛り上がる人の数が増えたわけではない。ただ、やると決めた人は、前より力を入れている。これは、広く浅く参加する行事から、好きな人が深く参加する行事へ、ゆるやかに移っている形だ。
インテージ「ハロウィンに関する調査」(全国15〜79歳の男女5,000人)の結果を伝える報道より。2025年の市場規模は1,673億円(前年比93%)、平均予算は7,192円(前年比1.1倍)。(記事の要点を編集部で要約。2026年の調査結果は、本稿の執筆時点では確認できていない)
出典:AdverTimes「ハロウィン市場、前年比93%の1673億円 物価高で『費用を抑える』『楽しみ重視』二極化」
TONEの視点:「みんな」から「自分の分」へ
このデータは、TONEがこれまで扱ってきた「自分っぽさ」の流れと重なる。誰かに見せるための仮装より、自分が着たいものを、自分の予算で選ぶ。ハロウィンはもともと、仮装という「別の自分になる」遊びだった。その遊び方が、街の大きな盛り上がりから、仲間内や自宅、あるいは自分ひとりの楽しみに移っていくなら、市場が縮んで平均予算が上がるのは、筋が通っている。
もうひとつ見たいのは、予算の使い道が人によって違う点だ。仮装に使う人、お菓子や食事に使う人、飾りつけに使う人、何も使わない人。「ハロウィンにいくら使ったか」の平均は、その全部を混ぜた数字にすぎない。平均7,192円という額は、多くの人にとって現実の財布の感覚とは少し違うかもしれない。
また、「市場が縮んだ」という言葉の受け取り方にも注意したい。前年の93%という数字は、7%分の金額が減ったことを示すだけで、ハロウィンが人気を失ったとまでは言えない。報じられている調査でも、予定がある人は減ったが、平均予算は上がっている。つまり、参加しない選択をした人が増え、参加する人の熱は下がっていない、という読み方もできる。数字の上がり下がりを、そのまま「流行の終わり」と結びつけないほうがいい。
行事の消費は、その年の物価や天候、10月31日が何曜日にあたるかでも動く。2026年は土曜日で、仕事や学校の予定を気にせず動ける人が多いはずだ。この条件が、来月に出る数字にどう反映されるかは、今の段階ではわからない。結果を見るまでは、予想で断定せず、出てきた数字を自分の過ごし方と照らして読むのがよいだろう。
明日から使える一手
今年のハロウィンは、先に「予算の上限」を決めてから、使いたい項目を1つだけ選ぶのがいい。仮装なのか、食べ物なのか、飾りなのか。全部に少しずつ使うより、1つに絞ったほうが、終わったあとの満足度は残りやすい。みんなに合わせる日ではなく、自分に合う分だけを選ぶ日として使ってみる。