11月に入って、スーパーの鍋つゆの棚を見た人は多いと思う。大きな袋入りのストレートタイプの隣に、1人分ずつ小分けにした小袋が並んでいる。食品業界紙の日本食糧新聞は、2026年10月9日付の「鍋物調味料特集」で、鍋つゆは定番の商品であり、個包装タイプが販売を引っ張っていると伝えた。背景には、節約志向の広がりがあるという。

鍋の売り場で起きていること

同じ特集によると、鍋商戦は10月に入ってハイシーズンを迎え始めている。鍋つゆとポン酢などの鍋物調味料は、冬の量販店の売り場の中心にあたる。今年は夏の酷暑の影響で、関東では鍋の商戦が例年以上に盛り上がる見通しとも書かれている。

個食タイプの動きも載っている。チョーコー醤油は、地元原料を生かした個食の「長崎鯛だし」を加えた。ニビシ醤油も、個食向けの寄せ鍋つゆを出した。九州ではまだストレートタイプが売り場の大きな場所を占めているが、重くて持ち帰りがたいへんだという指摘もあり、小さな商品が広がる余地がある、というのが特集の読みだ。

鍋物調味料特集2026では、鍋つゆは定番で、個包装タイプが販売をけん引し、深まる節約志向に対応していると整理された。鍋商戦は10月に入ってハイシーズンを迎え始めている。(日本食糧新聞の記事を編集部で要約)
出典:日本食糧新聞「鍋物調味料特集2026」(2026年10月9日付)

もうひとつ、11月は調味料の値上げの月でもある。帝国データバンクの集計として、11月に値上げされる飲食料品は1,469品目と報じられていて、そのうち調味料が644品目で最も多い。しょうゆやたれ類が含まれるという。鍋つゆも、調味料の仲間だ。

出典:macaro-ni.jp(帝国データバンクの集計を紹介した記事)

TONEの視点:売れているのは「安さ」より「使い切れる量」かもしれない

個包装が伸びる理由を、節約志向だけで説明すると、少し足りないと思う。大きな袋は、1回あたりの値段は安く見えることが多い。それでも小袋が選ばれるのは、使い切れずに残る分が出ないからではないか。これは編集部の推測で、特集に書かれていることではない。

例で考えてみる。数字は説明用に決めた仮のものだ。4人前入りで400円の袋なら、1人前は100円。1人前ずつの小袋が5つで600円なら、1人前は120円。値札の上では小袋のほうが割高だ。けれど、一人暮らしで大袋を開けて、2回目の鍋の前に飽きてしまい、残りを捨てたとする。食べきった1人前の値段で割り直すと、大袋のほうが高くつくことがある。

鍋は、家族で囲む料理というイメージが強い。それでも売り場の動きが「1人分」に向いているなら、鍋を食べる側の人数が、少しずつ変わっているのかもしれない。

明日から使える一手:「1食あたり」を、食べきった数で割る

鍋つゆを選ぶとき、値札の隣に「何人前」「自分は何回で使い切れるか」をメモしてほしい。値札を、袋に入っている人前の数ではなく、実際に食べきる回数で割ってみる。大袋が合う人もいるし、小袋が合う人もいる。どちらが得かは、売り場の宣伝でなく、自分の食べる回数で決まる。

なお、価格や容量は店ごとに違うため、購入前に各商品の表示を確認してほしい。