会社員の手元に、年末調整の書類が届く時期になった。今年の書類は、例年と少し違う。基礎控除と給与所得控除の数字が変わり、申告書の様式にも変更がある。この記事では、報じられている数字を整理し、「手取りが増えるか」の前に、自分で確かめておくことを読む。

変わるのは、基礎控除・給与所得控除・扶養の目安

マネーフォワード、TKC、山田パートナーズなどの解説によると、令和8年(2026年)分の所得税では、基礎控除の本則が58万円から62万円に上がる。令和8・9年分は特例の上乗せがあり、合計所得489万円以下なら104万円、489万円超655万円以下なら67万円、655万円超2,350万円以下なら62万円となる。給与所得控除の最低保障額は65万円から74万円(本則69万円+特例5万円)になる。これに伴い、所得税がかかり始める給与収入の目安は178万円とされる。

扶養などの判定に使う合計所得の要件も、58万円以下から62万円以下に上がる。給与収入だけの場合、年収の目安は123万円以下から136万円以下になる。毎月の源泉徴収には反映されず、改正分は今年12月の年末調整でまとめて精算される、と各解説は伝えている。

令和8年分の年末調整では、基礎控除の本則が62万円(特例で最大104万円)、給与所得控除の最低保障額が74万円となり、所得税がかかり始める給与収入の目安は178万円。同一生計配偶者・扶養親族の所得要件は62万円以下(給与のみの目安は136万円以下)。(編集部で要約)
出典:マネーフォワード クラウド給与「年末調整」解説(2026年9月15日更新)/山田パートナーズ「税務トピックス」(2026年9月28日)/SmartHR Mag「2026年税制改正まとめ」(2026年10月28日閲覧)

数字は多いが、会社員の多くにとって、計算は会社が行う。自分が決めるのは、書類に何を書くかだ。

TONEの視点:「増えるか」より先に、「家族の年収」を見直す

控除が増えると聞くと、手取りが増えるかどうかに目が向く。ただ、実際にいくら変わるかは、収入や家族構成で一人ひとり違う。この記事では金額の試算はしない。そのかわりに、数字が変わったとき見落としやすい点を1つ挙げる。扶養の目安が上がったので、「去年は扶養に入れなかった家族が、今年は入れる」場合があることだ。

目安は、給与収入だけの家族なら年収136万円以下(解説によるもので、他の収入がある場合は条件が変わる)。パートやアルバイトをしている配偶者や、アルバイトの子どもがいる家庭では、去年の「103万円」「123万円」の感覚のまま書類を出すと、確認が漏れるおそれがある。TONEは、これは数字の問題というより「去年の基準を引きずる問題」だと見る(編集部の見方)。

明日からの一手は、家族ごとの今年の年収の見込みを、スマホのメモに書き出すことだ。給与明細の12月分までの合計を見込みとして足して、136万円という目安と並べる。目安に近い人がいれば、書類を出す前に会社の担当者か税務署の案内で、条件を確かめる。年収の見込みは、書類を書く前に1回だけ作れば足りる。

※本記事は2026年10月28日時点の解説記事に基づく一般的な情報で、税務上の助言ではない。国税庁の公表資料は今回直接確認できていないため、正式な金額・要件・様式は国税庁の資料や勤務先、税務署で確認できる。本記事は広告ではなく、特定の商品の購入を勧めるものでもない。