10月も終わるのに、年末年始の話をする。そんな気の早さを、今年はあまり笑えない。2027年のおせちは、すでに多くの売り場で予約が始まっている。コンビニのファミリーマートは9月24日に、京王百貨店はネットで9月1日、店頭で10月1日に受け付けを始めた。
コンビニは平均価格を下げ、百貨店は「1人分」が売り切れた
ファミリーマートの発表によると、2027年のおせちは全36品。平均価格は前年より726円下げ、8,834円(税込)からのラインアップにしたという。早割は11月30日の午前9時までで、対象は前年の10品から15品に増え、早割終了後の価格から10%安くなる。通常の予約は12月22日までだ。
ファミリーマートは2027年のおせちの予約を9月24日に開始。全36品、平均価格は前年より726円下がり8,834円(税込)から。早割は11月30日午前9時までで、対象は15品、終了後の価格から10%割引。通常予約は12月22日まで。(発表の要点を編集部で要約)
出典:ファミリーマート ニュースリリース(2026年9月24日)/マイナビニュース(2026年9月24日)
一方の京王百貨店は、昨年は約3割のおせちが値上がりしたと説明している。そのなかで、2万円台前半から3万円台の「京王オリジナルおせち」が売上の約3割を占め、初めて企画した「個食おせち」は完売した。今季はこの個食おせちに3種を加え、全体では約274種をそろえている。
京王百貨店は「2027 京王のおせち」を発表。昨年は約3割のおせちが値上がりするなか、2万円台前半〜3万円台の京王オリジナルおせちが売上の約3割を占め、初企画の個食おせちは完売。(発表の要点を編集部で要約)
出典:京王百貨店「2027 京王のおせち」発表(北海道新聞掲載・2026年)
ファミリーマートは、沖縄県を除く全国約16,100店とファミマオンラインで受け付けている。新しく加わったのは、「八百彦本店」監修の「オードブルおせち」だ。おつまみ系の料理を詰め合わせたもので、正月の定番の形から少し離れた商品といえる。京王百貨店のほうは、広域配送に対応した「贈れるおせち」が、昨年の売上数量で前年比約104%と好調だったと説明している。
価格を下げたコンビニと、小さな単位を売り切った百貨店。売り場の種類は違うが、両者の数字には共通点がある。どちらも、おせちを「一家で囲む大きな重」だけの商品として扱っていない。
TONEの視点:おせちは「重の数」より「食べる人数」で決まる
おせちを選ぶとき、多くの人はまず価格か、見た目の豪華さを見る。けれど、売り場の動きを並べると、本当の分かれ目は別の場所にある。それは、年末年始に誰が何回、食卓に座るかだ。
個食おせちが完売したことは、少ない人数で食べる需要があることを示している。ただし、これは京王百貨店1社の例であり、全国の傾向だとまでは言えない。確認できたのは、小さな単位でも売り切れる商品がある、というところまでだ。
726円の下げ幅についても、読み方に注意がいる。これは平均価格の変化であり、すべての商品が同じだけ安くなったという意味ではない。品ぞろえが入れ替われば、平均は動く。気になる商品があるなら、平均ではなく、その商品の去年の価格と今年の価格を並べて見るのが確かだ。
もうひとつ見ておきたいのは、早割の仕組みだ。10%という数字は小さく見えるが、終了後に1万円になる商品なら、早割では9,000円で済む。1,000円の差が、締切日を決める。逆に言えば、人数が決まらないまま急いで予約すると、安く買えても食べきれない可能性が残る。安さの前に、人数を決める。順番が逆になると、割引は得にならない。
人数と回数が決まると、見るべき項目も変わる。大きな重なら、受け取りの日と保管の場所が先に決まる。個食や少人数向けなら、1食あたりの量が足りるかどうかが決め手になる。足りない分を普段の食事で足す前提なら、おせちは「正月の主役」でなく「正月の一部」として選ぶことになる。どれが正しいということはなく、家の事情に合う形を選べば足りる。
なお、商品の内容や取り扱いは店舗や地域で異なる。予約の前には、各社の最新の案内で確認してほしい。
明日から使える一手
紙に、12月31日から1月3日までの4日間を書き、日ごとに「家で食べる人数」と「おせちを食べたい回数」を書き出してみてほしい。答えが「3人で1回」なら、大きな重はいらないかもしれない。「6人で3回」なら、複数の重や、足りない分を足す形が合う。人数と回数が決まれば、あとは早割の締切である11月30日までに、売り場の種類を選ぶだけだ。