スーパーの米売り場で、5キロ袋の値札を見て足を止めた人は多いと思う。ここ数年、コメの値段は家計の話題の中心だった。その値札が、いま静かに下がり続けている。農林水産省は10月9日、全国約1000店のスーパーで9月28日〜10月4日に売られたコメ5キロの平均価格が2860円だったと発表した。前の週より66円安く、値下がりは8週連続だ。

価格が下がるのは、買う側にとってはありがたい話だ。ただ、なぜ下がっているのか、そしてこの先どうなるのかまで知っておくと、売り場の見え方は少し変わる。

3千円を割って4週、背景は「豊作」

報道によれば、内訳は銘柄米が2882円、ブレンド米やプライベートブランド品などが2733円。平均価格が3千円を下回る状態は4週続いている。農水省は、下落基調はしばらく続くとの見方を示していると伝えられている。

農林水産省の発表として、10月9日、スーパーで販売されたコメ5キロの平均価格は前週比66円安の2860円で、8週連続の値下がり。銘柄米は2882円、ブレンド米などは2733円。(記事の要点を編集部で要約)
出典:NHK NEWS WEB「コメ平均価格」(2026年10月9日)

背景として報じられているのが、今年の主食用米の収穫量だ。740万トン余りになる見通しで、需要の見通しを大きく上回り、過去最大の水準とされている。新米が店頭に並ぶ時期と重なり、売り場では供給が増える方向に動いている。

農水省発表によるコメ5キロの全国平均価格は2860円(9月28日〜10月4日)。前週から66円下がり、8週連続の値下がり。(記事の要点を編集部で要約)
出典:OANDA証券ラボ「コメ店頭5キロ2860円」(共同通信配信の報道)

NHKと共同通信の報道で、価格・前週比・連続週数は一致している。一方で、収穫量の見通しの数字は私たちの側で農水省の資料そのものまでは確認できていない。ここでは報道で伝えられている範囲として扱う。

TONEの視点:値下がりは「選び方」を変える

コメが高かった間、売り場では「少しでも安いもの」を選ぶ動きが強まったと言われてきた。内訳の数字を見ると、いまもブレンド米などと銘柄米の間には150円ほどの差がある。差は縮んでいないが、全体の水準が下がったぶん、同じ予算で選べる範囲は広がる。

価格が不安定な時期は、人は「買えるかどうか」を基準に選ぶ。価格が落ち着くと、基準は「何を食べたいか」に戻っていく。値下がりが続くいま起きているのは、安くなったことよりも、選ぶ理由が戻ってきたことだと考えている。これは、次の外食や炊き方、産地の選び方にまで影響する話だろう。

もちろん、下がり続けるかどうかは誰にも断定できない。農水省が下落基調は続くと見ているとはいえ、天候や需要で状況は動く。安いから大量に買いだめするより、いまは食べきれる量で試すほうが理にかなう。

明日から使える一手

次にコメを買うときは、袋の表示を見て価格を比べるだけでなく、同じ予算で「いつもの銘柄」と「気になっていた銘柄」を小さな袋で一つずつ買ってみてほしい。値段が落ち着いているいまは、好みの炊き上がりを探すのにちょうどいい時期だ。