10月の食品の値上げは、3,153品目だった。帝国データバンクが9月30日に発表した数字だ。スーパーの棚で値札を見て、最近ずいぶん上がったと感じた人は多いだろう。ただ、この数字は「いま何が起きているか」より、「いつまで続くか」を読むための手がかりになる。
10月は3,153品目。ただし9月は4,965品目だった
帝国データバンクの調査は、主要な食品メーカー195社を対象にしている。報道によると、10月に値上げされる飲食料品は3,153品目。分野別では、酒類・飲料が1,399品目で最も多く、調味料が820品目で続く。酒類・飲料が多いのは、10月1日の酒税改定で、発泡酒や第三のビール類が増税になったことが大きい。値上げの理由は、原材料高が91.3%で最多。物流費が66.0%、エネルギーが63.8%、包装・資材が63.7%と続く(複数回答)。
この数字を、少し前と並べてみる。9月は4,965品目で、2か月続けて3,000品目を超えたのは、2023年6〜7月以来3年3か月ぶりだという。2026年の年間では、判明分で2万187品目となり、2年連続で2万品目を超えた。9月と10月の2か月だけで8,000品目を超え、年間の約4割を占めた、とも報じられている。
帝国データバンク「食品主要195社」価格改定動向調査(2026年9月30日発表)を報じた記事より。10月の値上げは3,153品目(酒類・飲料1,399、調味料820)。9月は4,965品目。2026年の年間は判明分で2万187品目、11月は1,469品目の見込み。27年にかけて断続的な値上げが続くと予想されている。(内容の要点を編集部で要約)
出典:nippon.com「10月の食品値上げ3153品目―帝国データバンク」、秋田魁新報(共同通信配信)「10月値上げ、3000品目超え 飲食料品、家計に負担」(2026年9月30日)
「品目数」は、家計の重さとは別の数字だ
ここで気をつけたいことがある。3,153品目は、値上げされた商品の「数」であって、家計の負担額ではない。ある品目が5%上がるのと、18%上がるのとでは、同じ「1品目」でも重さが違う。たとえば報道では、清涼飲料のペットボトルや缶が約5〜18%、しょうゆが約5〜16%、冷凍食品が約5〜8%の値上げとされている。数字だけを見て「全部がそれだけ上がった」と読むのは正確ではない。
もう一つは、同じ月に値下がりしたものもあることだ。TONEは10月16日に、コメの店頭価格が8週連続で下がったことを取り上げた。品目数の多さは、棚全体が一方向に動いている証拠にはならない。上がったものの数が目立つ月ほど、上がらなかったものの存在は見えにくくなる。
TONEの視点:山の高さより、山のあとを見る
今回の数字で、もう一つ目を引くのは、11月の見込みだ。11月は1,469品目と、10月の半分以下にとどまる見通しだという。調査側は、10月をピークに一度は収束するとみている。一方で、27年にかけて断続的な値上げは続くとも予想している。つまり、「急に上がる月」が過ぎても、「上がらない時代」に戻るとは言われていない。
値上げが特定の月に集まるのは、メーカーが改定のタイミングをそろえているからだと考えられる。これは調査から言えることではなく、TONEの推測だ。それでも、集中して来て、静かに去る、という形は、買う側に準備の時間をくれる。山のあとの棚は、価格を比べ直すのにいい機会になる。
なお、酒類を買う場合の飲酒は20歳になってから。
明日から使える一手
よく買う3品を決めて、棚の前でスマホに単価だけ記録してほしい。同じ棚を、11月の終わりにもう一度見る。上がっていれば、別の銘柄や容量に変える判断ができる。変わっていなければ、そのまま買えばいい。ニュースの数字を、自分の棚の数字に置き換える、小さな確かめ方だ。