11月1日から、外国人旅行者の免税買い物の仕組みが変わる。これまで多くの店では、レジで消費税を引いた価格で売っていた。これからは、いったん税込の価格で払い、出国のときに空港などで手続きをして、あとから消費税分が戻ってくる。「店で引く」から「あとで戻す」へ。同じ免税でも、値札と財布の動きが入れ替わる。

何が変わるのか

報道や空港の案内によると、新しい制度は「リファンド方式」と呼ばれる。店は税込価格で免税対象の品物を売り、税関が持ち出しを確認したあとに、消費税相当額が旅行者へ返される。目的は、免税で買った品物が国内で転売されるなどの不正への対策とされている。税関が持ち出しを確認することで、店側の事務の負担が減り、旅行者の手続きも便利になる面があると説明されている。

店の側には準備が要る。購入記録の電子送信など、新しい仕組みに対応できない免税店は、10月31日で許可が失効すると案内されている。新しい許可の申請は10月1日から受け付けられていて、現行の制度と新制度を併用する期間は設けられないという。つまり、10月31日までと11月1日からでは、同じ店でも会計の流れが変わる。

2026年11月1日から、免税制度は店頭で消費税を引く「購入時免税」から、税込で購入して出国時に返金を受ける「リファンド方式」に切り替わる。免税店は電子的な対応が必要で、移行期間は設けられない。大手のPPIHグループは、11月1日から全国の店舗で新制度の返金申請に対応するとしている。(記事の要点を編集部で要約)
出典:中部国際空港「免税制度の変更について」、北海道新聞「新免税制度のリファンド申請に対応」(PPIHグループ発表)(いずれも2026年10月時点)

同じPPIHの発表によれば、2026年6月期の免税売上高は2,286億円で、過去最高を更新した。数字は、制度が変わる前のものだ。新しい方式のもとで売上がどう動くかは、まだ誰にも分からない。この記事でも予想はしない。

TONEの視点:「値引き」は「払い戻し」になる

ここからは、調査ではなく編集部の見立てだ。

店で税が引かれると、旅行者は「安くなった」と感じながら買える。あとで返金される方式では、レジで払う額は税込のままだ。同じ金額が戻ってくるとしても、買う瞬間の手ざわりは変わる。値引きは目の前で起きるが、払い戻しは数日後か、帰国の直前に起きる。人は目の前の値引きに反応しやすい。だから店は、これから「戻ってくる額」をどう見せるかを工夫することになるのではないか。報道されているPPIHの「返金手数料無料」という打ち出しも、その一つに見える。

この変化は、旅行者だけの話ではない。街の売り場の言葉が変わる。「免税あります」という表示は、「免税手続きができます」に近づく。観光客の多い街で買い物をする私たちも、レジ前の行列や案内表示の変化に気づくはずだ。海外旅行で空港の払い戻しカウンターを使ったことがある人には、見慣れた形かもしれない。

明日から使える一手

11月に入ったら、観光客の多い売り場で、レジ周りの案内を1枚だけ読んでみてほしい。「税込で払う」「空港で手続きをする」という説明が、どんな言葉で、どれだけ目立つように書かれているか。そこに、その店が「値引き」と「払い戻し」の差をどう埋めようとしているかが出る。外国から来た友人を案内するときも、「店で引かれない、出国のときに戻る」と一言添えるだけで、戸惑いはずっと減る。